笑い話 昔の笑い話 

こちらの一連の笑い話は、吉村一伸の作品です。【もの知り笑タイム】【笑タイム】【憤慨!笑い話】【昔の笑い話】と続いております。

  吉村一伸のサイトでは、発想を生み出すコツで、笑い話、小説等、書くことを試みるアドバイスをしております。サイトは最後の所に書いてあります。

もの知り笑タイム

地球

「地球はどうして丸いのかしら?」
 と彼女が彼氏に聞けば、
「地球が誕生してすでに四十六億年も経ってるんだ。その間、回り続けているんだから、丸くなるのは当然じゃないか。ビー玉が丸いのと同じ原理さ」
 彼氏は言った。それを聞いて、
「どうして地球は回りだしたのかしら?」
 と彼女が聞けば、彼氏は言った。
「それは何事も、丸く収めるためだろう」

引力

 彼女が彼氏に、
「南極の海の水は、どうして下に落ちないの?」
 と聞けば、
「そりゃ引力があるからさ」
 彼氏は言った。
「だったら、地球の引力は想像もできないくらい大きいのね」
 それを聞いて、
「あたりまえだ。地球上のものは、すべて引きつけているんだからな。その力は想像を絶するものさ」
 と彼氏が言えば、
「でもおかしいわ」
 彼女は首を傾げた。
「どうして?」
「だって雲は軽いのに、どうして空に浮かんでいるの?」
 それを聞いて、彼氏は言った。
「きっとつかみどころがないのだろう」

感電死 

 彼氏が彼女に、
「人間はわずかだが、電気を帯びているんだ」
 と言えば、
「まぁ電気が?」
 彼女が驚いた顔をした。
「それじゃ乾電池は、直列に沢山つないでいけば、その分高い電圧になるわけでしょ」
「その通り」
 彼氏はうなずいた。
「だったら、大勢の人が手をつなげば、乾電池を直列につないだのと同じで、かなり高い電圧になるわけね」
「?」
「そうなれば、端と端の人が手を触れたとたん、一瞬にして全員感電するのかしら?」
「??!」

笑タイム

《好きも嫌いもありゃしない》

 顔を見ただけで吐き気がする言えば、嫌いも嫌い大嫌いが普通。でもこれが好きであったとしたら、こんなこと、あるのだろうか?もちろん喧嘩をしたわけはない。

 A君とB子さんは、はたの目をうらやむあつあつの仲。そんな仲を見せられていたC子さんが、B子さんに声をかけた。
「あなたの彼氏、あなたに相当夢中ね」
 それを聞いて、
「でも最近よりつかないの」
 B子は元気を落として言った。
「どうして?」
「だって彼ったら、わたしの吐く息を思う存分吸ってみたいと言うから、言われたとおり吸わせたの」
「まあ、それで?」
「彼ったら気分が悪くなっちゃったの。酸素を吸わないで、人の吐く炭酸ガスを吸ったために、酸欠になったのよ」
「それで彼どうしたの?」
「今では、わたしの顔を見ただけでむかむかし、はきけがするんだって!」

人の血

 人の血を吸う吸血鬼はドラキュラばかりではない、蚊だってのみだって人の血を吸う。でもこの吸血鬼はちょっとばかりか大きく違う。どう違うかって?こう違うんですよ。

「あなたって世の中を調子よく生きているのね」
 A子が被害を受けたB太に憤慨して言った。
「どうして?」
「だって人の甘い血を吸って生きているんだから」
「人聞きの悪いことをいうなよ。おれだって、人のためになっているんだからな」
「人のためになってる?調子のいいこと言わないでよ」
 A子の気持ちはおさまらない。
「うそじゃないさ」
 Β太は言い返す。
「それじゃあなたは人の甘い血を吸った見返りに、何をしてるっていうの?」
 と問いつめれば、B太は言った。
献血がある度に献血してるんだ」

極上

「わたし飲物はもちろん食物だって、高級品しか口にしませんの。体がデリケートにできているせいかしら」
 いつも上品ぶり、気取り屋のA子が、典型的な庶民タイプのB子を前にして、自慢そうに言った。
「まぁ結構なご身分でいらっしゃいますこと」
 B子が皮肉じみた言い方で言っても、鈍感なA子には通じない。そこでそのまま話をつづけた。
「だから高級レストランで極上のワインを飲みながら、フランス料理イタリア料理などを食べる毎日ですのよ。ところでB子さんはどんなものを召し上がって?」
 と聞いてきた。
「わたしはもっぱら日本食ですわ。納豆に豆腐のみそ汁、それに寒い時はおでんなんかおいしゅうございますわね。特にこんにゃく、ちくわはかかせませんわ。それに漬け物はぬか漬けで、古漬けを顔をしかめて食べる、これもなんとも言えませんわ。わたしはおたくと違って、体が頑丈に出来てるせいかしら?」
 そう言ったあと、さらにつけ加えた。
「それじゃおたくの体の中は、我々とは違って、高級に出来ていますのね。おなら一つをとってみても、音はバイオリンの音のごとく流れ、香りは香水のごとく漂うのかしら?」

こちらは笑い話ショートからショートを除いた、【憤慨!笑い話】です。
 
お化け屋敷

 トン子は小さい頃から男まさりで、スリラーが大好き。そこでみんなを集め、怖い話を聞かせたりしていた。そしてみんなを恐怖に巻き込んだ時、突然崩れた顔をさらに崩し、両手を広げて、「わッ!」 と思いっきり大声を上げる。
 その声に、みんなはびっくりしてひっくり返る。それを喜びながら、怖さを盛り上げ喜んでいた。
 大きくなってからも、お化け屋敷に興味持ち、よく足を運ぶ。彼女はおばけ屋敷に入っても、悲鳴などあげたことはない。逆にお化けの背後にまわって、「わッ!」っと手の平を広げ、爪で背中をかいたりし、お化けの方を驚かせ喜んでいる。
 そんな彼女が友人の幸恵を誘って、新しく出来た遊園地のお化け屋敷にやってきた。幸恵はお化け屋敷の前にくると、看板を目にし、入るのをこばみだした。
「お化け屋敷のお化けなんて、ただの人間なんだから、ちっとも怖くはないさ。見てご覧。お化けの方を悲鳴あげさせてやるから」
 そう説得しても、
「やっぱり止める。夜トイレに行かれなくなるから」
 そう言って幸恵は入ろうとしない。そこでトン子だけが入ることにした。
 中に入ると薄暗い中で、キャー、キャーの悲鳴があちらこちらから聞こえる。そこへ白い浴衣姿のお化けがひょっこり現れ、にやりとした。
 そこでトン子は「わッ!」と大声を上げ、おばけの体をくすぐったため、おばけの方がけらけら笑い、さらにトン子のくずれた顔を見て、あわててそばの竹藪へ逃げる始末。
「なんてだらしのないお化けさんなんだよう」
 トン子はそう言いながら先に進んだ。そしてお化けの出そうな所へ来た。
 そこで隠れているだろう竹藪を一気にはらい、顔を思いっきり崩して「わッ!」と大声をあげたら、そこに隠れていたおばけがひっくり返り、腰を抜かしてしまった。
「ほんとにだらしのないお化けさんばかり。折角お化け屋敷の中にいるんだもの。何か腰を抜かす程の驚くことはないかしら?」
 そう言いながら、トン子はさらに奥へ進んだ。
 と、その時、ぐらぐらと地面が動いた。地震である。それもかなり大きい。中にいた者は、外に出ようとあわてた。その中で、お化けたちは屋敷内をよく知っているため、入り口から飛び出してくるのは、お化けばかり。
 トン子は出口が分からない。暗やみの中で、右往左往の手探り中を、殆ど中に居た者が出終わったあと、「あわわ、あわわ」
 と言いながら、ぶざまな格好で地面をはって出てきた。それを見て、
「口では大きなことを言っていても、お化け屋敷でおびえていたところへ地震だったので、そんな格好になって出できたんでしょう」
 幸恵が笑った。
「とんでもない!お化けの馬鹿が、わたしを出口へ誘導するどころか、思いっきり突き飛 わたしぶざまな格好でひっくり返り、腰を打ったため、すぐに立ち上がれず、あの地震の中を、出口を探すため、必死になってはいずり回っていたんだから!」
 トン子はお化け屋敷で、思いもよらぬ恐怖の体験を、憤慨して言葉をはいた。

昔の笑い話

天国地獄

  ごん兵衛は、縄ばしごを作るため、縄を買いに行った。そして縄をかついで、橋のところへ来たときだった。
「助けて!」
 と、言いながら、ばちゃばちゃ水の音がしているのが聞こえた。
 見ると、川で子供が溺れている。幸いにもごん兵衛は、長い縄をかついでいる。そこで急いで、肩に掛けている縄を取りだすと、
「早く、この縄につかまるんじゃ!」
 そう言って、子供の方へ投げた。
 丁度うまく縄の先は、子供の目の前に落ちた。
「いいか。離すんではないぞ!」
  ごん兵衛は、大きな声をはりあげ、子供を岸へ引き寄せた。
 子供はまだ溺れ始めだったため、水は殆ど飲んでおらず、すぐに元気を回復した。
  それをそばで、じっと見ていた源吉が、急いで子供の親の所へ、知らせに走った。
「おばちゃん、太郎作が溺れた!」
「えっ!何処で?」
「橋のとこや」
  それを聞いて、母親のお花さんがとんできた。
「太郎作!」
 と、叫び声をあげるや、わが子を抱きしめた。そして、そばに立っているごん兵衛を見ると、
「ほんとに、子供を助けていただき、お礼の言いようもございませぬ。どうかうちへお寄りくださいまし」
  ごん兵衛は、今まで言われたことのない、丁寧な言葉で、お花さんから、誘いの言葉を受けた。
「わっしはただ、当たり前のことをしただけなんだから、気にせんでおくんなせぇ」
 そう言って、その場を離れようとした。
「それじゃ、主人に叱られます。ですからお願いします。どうぞお寄りくださいまし」
  美人で上品なお花さんに、ここまで言われると、それを押し切って帰るわけにはいかない。そこで言われるまま、お花さんたちが住んでいる屋敷に案内された。
  なんとまあ、部屋といい、家具といい、置物といい、すばらしいの一言で、ごん兵衛は、まるで浦島太郎のような気持ちになった。
「これで鯛や平目の舞い踊りがあれば、浦島太郎じゃ」
  そう思っていると、
「どうぞ、お食事の用意が出来ました」
 と、西洋式になっている食堂に案内された。
  なんと、テーブルの上には、鯛と平目のお造りの舟が置いてある。
 主も子供の命の恩人だけに、とても丁重に、ごん兵衛をもてなしてくれた。
 飲んで、食べて、ごん兵衛はいい気分になった。そして、
『この分じゃ、帰りには玉手箱でもくれるかも知れんわい』
  そう、思ったとき、
「もう遅うございますから、今晩はお泊まりになってくださいまし。主人もそう申しておりますから」
  お花さんに勧められ、泊まることになった。
  通された部屋は洋間になっている。まだ寝たこともないベッドを見て、ごん兵衛は、全くの別世界に来た気持ちになった。
  ごん兵衛の寝ぞうの悪いのは、大変なもの。いつも起きた時は、寝た位置にはいない。そのごん兵衛が、ベッドで寝るとなったら、どうなることか。その上、酒をたんまり飲んでいる。
 ごん兵衛は眠くてしょうがないので、早々にベッドに入った。そして、寝ついたとたん、ベッドからころがり落ちた。はい上がっては落ち、はい上がっては落ちのくり返しだっ
た。夢の中は、関取にはいって、親方にしごかれっぱなしの夢だった。
  いくらごん兵衛といえども、とうとう目が覚めてしまった。
「これじゃ朝まで眠れやしれんわい」
  ごん兵衛はそうつぶやくと、縄を持ってきて、足の方から体へと、ベッドにぐるぐる巻いて、縛りだした。 そして、両腕もそれぞれ、脇腹に入れ、ようやくベッドから落ちることもなく、眠りにはいった。
  いつの間にか、夢は先ほどの関取から、岡っ引きに捕らわれの身に変わった。『これ、ごん兵衛、おまえは女房、子供のいる身でありながら、人妻に手をだすとは、不謹慎きわまる。よって、町中引き回しの上、獄門に命ず』とのお代官からのお告げに、夢とはいえ、ごん兵衛は胸をどきどきしながら眠っている。
  やがて朝になった。食事の時間になっても、ごん兵衛は起きてこない。夜中に、ろくに寝ることが出来なかったので、今が熟睡の最中だ。
  そんなことは知らない主とお花さんは、女中のたねさんに、食事だと言ってくるように頼んだ。
  たねさんが、ドアをノックしても、返事がない。二度、三度してみたが、やはり返事がないので、ドアをそっと開いてみた。
 見るとごん兵衛が、ベッドに縄でぐるぐる巻きにされている!
「だんなさま!」
  たねさんは、腰を抜かさんばかりに叫んだ。
 その声を聞きつけ、主とお花さんがとんで来た。そして、ごん兵衛を見るなり、主は、「早く!岡っ引きを呼んできなさい!」
  と、大声で叫んだ。そして、
「岡っ引きが来るまで、このままにして、触れてはいけない!」
 と、手口を調べてもらうため、そのままにしておいた。
 やがて岡っ引きがやって来た。
ごん兵衛はまだ夢の中だ。縄で体をぐるぐる巻きにされた上、牢に入れられている。
 やがて、牢の看守たちがぞろぞろやって来た。その中に、自分を捕らえた岡っ引きもいる。
『さぁ、おむかえにきたぞ』と、看守の一人が言った時、目が覚めた。
 見ると、目の前に岡っ引きが立っている。そこで、ごん兵衛は、
「覚悟は決めておりやす。だけどその前に、どうか一目、女房、子供に会わせておくんなせぇ」
 と、寝ぼけ顔で言ったのはいいが、岡っ引き一同、何がなんだかさっぱりわからず、しばらく口を開いたまま、ぽかんとしていた。

こちらの笑い話につきまして、現在有料版の準備を進めております。有料版では【笑タイム】【もの知り笑タイム】【ブラックユーモア】【昔の笑い話】がたっぷり楽しめるようになっております。

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◆最後に、こちらの一連の作品は、吉村一伸の作品です。そのため、無断で引用複写は、著作権侵害にもなりますので、固くお断りいたします。

略歴
工夫・考案について、NHKから電気電子部門で奨励賞を、東京都から別作品で、その年の発明奨励者二十人の中に選ばれる。

執筆関係では、中央公論社の雑誌に、暮らしに関する記事を長年執筆の他、電気関係では電気雑誌に長年執筆。笑い話は新聞にも執筆している。

出版関係では[七日間のクイズ狂][百万人のクイズ狂][スリラークイズ]の他、[趣味の電子工作入門]、[続趣味の電子工作入門]等があり、科学の本については、青春出版社から[大人の理科力ドリル]が出版されている。

[七日間のクイズ狂]についてはフジテレビをはじめ、学研の雑誌、女性自身の他、第一生命等、会社の社内報にも問題が紹介された。

電子書籍については、小説等10冊がヤフー・富士通ソニー紀伊国屋書店パピレスなどの他、色々な所で、電子書籍出版社を通じて販売されている。

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